不眠症・睡眠障害

不眠症・睡眠障害は「寝付きが悪い」「途中で目が覚める」「昼間に眠気を感じる」「眠った気がしない」など様々であり、治療もそれぞれで異なります。多くは睡眠衛生指導による生活習慣の改善や薬物療法で改善します。「薬は極力使いたくない」という方には睡眠衛生指導を中心とした治療も可能です。

少し前からよくニュースになる病気として睡眠時無呼吸症候群(SAS)があります。いびきや中途覚醒が特徴的です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の場合、しばしば薬物療法が逆効果になります。簡易型検査装置を用いた検査の結果、精査・治療が必要な場合には連携医療機関へご紹介します。

双極性感情障害(躁うつ病)

うつ病と似たような症状を呈す主な病気として適応障害、双極性感情障害(躁うつ病)があります。適応障害は仕事や学校などの生活環境においてうまく適応することができず、うつ病と似たような症状を呈します。しかし、原因がはっきりしているので、その原因を取り除けば症状は徐々に改善していくことが多いです。「精神科は薬だけ」と思われがちですが、環境調整のお手伝いも可能です。

双極性感情障害は、うつ病と似たような症状を呈す時期のほかに、気分が高揚する躁状態の時期が特徴的です。躁状態でみられる症状として以下のようなものがあります。

  • 気分が高揚して爽快である
  • いつもより上機嫌でおしゃべりになる
  • いい考えが次から次へと浮かぶ
  • イライラして攻撃的になる
  • 多額の買い物をしてしまう
  • 根拠のない自信がある
  • 眠らなくても元気である

躁状態が持続すると仕事や人間関係に深刻な障害を来し、社会復帰が困難になってきます。またうつ状態のときにはうつ病と症状がよく似ているため、しばしばうつ病と間違われます。ただ治療や病気の成り立ちはうつ病とは異なります。双極性感情障害は上手にコントロールすることを目標にします。きちんと治療して、病気とうまく付き合っていくことが大切です。治療を継続することで日常生活への障害を少なくすることができます。

うつ病・双極性感情障害(躁うつ病)

うつ病

「集中力が続かない」「寝ても疲れがとれない」「何もやる気が起きない」などの症状がうつ病の始まりかもしれません。多くみられる症状として以下のようなものがあります。

  • 毎日のように気分が落ち込む
  • 好きだったことや趣味に対して興味がなくなる
  • 食べられない、あるいは食べすぎてしまう
  • 眠れない、あるいは眠りすぎてしまう
  • 身体の節々に痛みやだるさを感じる
  • 不安が頭から離れず、堂々巡りの考えをする
  • 仕事や家事に集中できない
  • 疲れやすく、元気が出ない
  • イライラする
  • 自分自身を責め、「価値がない」と感じる
  • 消えてしまいたくなる

上記以外にも様々な症状があります。長時間の労働や緊張を強いられる環境で発症のリスクが高まるといわれていますが、発症のメカニズムについてまだ完全には解明しておりません。しかし薬物療法や心理療法、環境の調整などが有効だと統計的に明らかになっています。最近では心筋梗塞や糖尿病などの身体疾患への影響も指摘されています。お気軽にご相談ください。

アルコール依存症・多量飲酒

アルコール依存症は自分の意思で飲酒をコントロールできなくなる病気です。大量の飲酒は様々な身体疾患だけでなく、うつ病などの精神疾患にも繋がります。飲酒により仕事や家庭生活に支障を来します。日本人のおよそ1%がアルコール依存症といわれています。多くの場合、治療は完全にお酒をやめる「断酒」になります。当院ではアルコール依存症の方の治療も積極的に行っています。ご本人が嫌がって受診しない場合、はじめはご家族だけでも結構です。

来院時に酩酊している場合は医師の判断で来院当日の診察を中止させていただくことがあります。予めご了承ください。

多量飲酒は厚生労働省で1日60g以上のアルコール摂取している人と定義されています。これはビールでいうとおよそ1500mlです。アルコール依存症と比べると仕事や家庭生活への影響が少なめですが、アルコール依存症と同じく身体疾患や精神疾患に繋がります。こちらも断酒が理想的です。しかし「お酒をやめたくない」という方には減酒という選択肢があります。ぜひご相談ください。

医師の判断で断酒をお勧めすることがあります。

こちらで簡易チェックが出来ます。
https://kurihama.hosp.go.jp/hospital/screening/audit.html
(独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センターより)

ギャンブル障害(ギャンブル依存症)

ギャンブル障害は、ギャンブルに異常な興味と快感をおぼえ、自分でコントロールできなくなる病気です。その結果、経済的に破綻し、多くの方が多額の借金をします。その借金のため、家族や親族、友人関係が壊れていきます。一部の方は横領などの犯罪行為に手を染めます。
ギャンブル障害は国際的に認められた精神疾患です。早期に治療することで日常生活が大きく損なわれる前に立ち直ることができます。当院ではギャンブル障害の治療も積極的に行っています。無断で治療内容をご家族に漏らすことはありません。安心してご相談ください。